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従業員の健康づくりをサポートする助成金。健康経営に活用しよう

従業員の健康を支えることは、企業の生産性向上にもよい影響を与えるといわれており、さまざまな企業が健康経営の取り組みを始めています。

心身不調による生産性・業務効率低下のリスクを避けるためにも、従業員の健康づくりは経営戦略のひとつとして取り組みたい課題です。
施策内容によってはコストがかかる健康経営ですが、助成金の活用によってコストの軽減に役立てられます。

本記事では、健康経営および働き方改革に関連した助成金制度について解説します。

※2019年6月現在の内容です。

目次[非表示]

  1. 1.健康経営に関連した助成金制度
  2. 2.時間外労働等改善助成金
    1. 2.1.時間外労働上限設定コース
    2. 2.2.勤務間インターバル導入コース
    3. 2.3.職場意識改善コース
    4. 2.4.団体推進コース
    5. 2.5.テレワークコース
  3. 3.人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)
  4. 4.業務改善助成金
  5. 5.キャリアアップ助成金
  6. 6.両立支援等助成金
    1. 6.1.①出生時両立支援コース
    2. 6.2.②介護離職防止支援コース
    3. 6.3.③再雇用者評価処遇コース
    4. 6.4.④育児休業等支援コース
    5. 6.5.⑤女性活躍加速化コース
  7. 7.受動喫煙防止対策助成金
  8. 8.まとめ

健康経営に関連した助成金制度

現在、政府は健康経営・働き方改革の推進に向けたさまざまな助成金制度を実施しています。


健康経営には、長時間労働や残業などの労働環境の改善を図るものから、多様な働き方に対応するための支援制度など、さまざまな施策があります。「人材確保をしたいけど応募がない」「人材が定着しない」などの悩みを解消する手段としても、健康経営は向き合いたい施策のひとつです。

従業員の健康維持・促進を図ることで、個人のモチベーションだけでなく、生産性や企業イメージを向上し、ひいては組織の活性化にもつながります。


しかしながら、従業員規模によっては、新たな取り組みを導入するための充分な投資ができないことから、健康経営の推進が難しいという課題があります。

そういった課題を解消できる手段として、政府は各種助成金制度を設けています。「コスト面で健康経営を断念していた」という場合は、助成金制度の活用を検討してみるのもひとつの方法です。


次の項からは、抜粋した6つの助成金制度について紹介します。


時間外労働等改善助成金

“時間外労働等改善助成金”は、時間外労働における労働時間の設定を見直し、従業員のワークライフバランス実現に向けた施策に対する費用の一部を助成するという制度です。

時間外労働等改善助成金には5つのコースが設けられており、見直しを図る内容によって支給額や対象者が異なりますが、基盤となる対象者は以下の一定条件に該当する事業主となります。


※1 対象となる一定条件の事業主

労働者災害補償保険の適用事業主であるとともに、以下のいずれかに該当する事業主であること。


(出典:厚生労働省「時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)」)


時間外労働上限設定コース

“時間外労働上限設定コース”は、長時間労働の見直しに向けて、働く時間の縮減に取り組む中小企業を支援するための制度です。

この制度は、時間外労働の上限規制の導入に向けて36協定の見直しを図っている企業や、月45時間を超える時間外労働が発生していることによる業務改善を検討している企業において、有効な制度となります。


支給対象になる取り組みとしては、労務管理担当者や労働者に対する研修をはじめ、就業規則や投資協定等の作成、人材確保に向けた取り組みなどが挙げられます。

取り組みにあたってかかった費用の一部が、取り組みの達成状況に応じて支給される仕組みです。

時間外労働上限設定コースの詳細はこちら


勤務間インターバル導入コース

勤務終了後、次の勤務までに一定期間以上の休息期間を設けることを“勤務インターバル”といいます。従業員に充分な休息を与えることで、健康促進や過重労働の防止を図るための取り組みです。

“勤務間インターバル導入コース”は、インターバル制度導入のために労務管理システムや設備などを購入したり、外部コンサルティングを依頼したりする場合に活用できます。


対象となる事業主は、※1で述べた要件を満たす企業であるほか、「すでに勤務間インターバルを導入していないこと」といった条件があります。

支給は、事前に成果目標を設定し、達成した場合のみとなっています。
また、支給額については全費用の3/4または4/5となり、上限も定められています。

勤務間インターバル導入コースの詳細はこちら


職場意識改善コース

“職場意識改善コース”は、所定労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進によって、従業員のワークライフバランス実現を目的とした制度です。

労働時間を削減するためには、業務の効率化が欠かせません。
定型業務を効率化するシステムや設備の導入、外部コンサルティングを依頼する場合に活用できます。


対象となる事業主は、※1で述べた要件を満たす中小企業であるほか、「月間平均所定外労働時間が10時間以上であること」というような条件があります。

支給額については成果目標の達成状況に応じて、経費の一部が支給されますが、100万円または50万円という上限が設定されています。

職場意識改善コースの詳細はこちら


団体推進コース

“団体推進コース”は、中小企業事業主やその連合団体を対象に、労働者の労働条件の改善に向けた取り組みに対して補助金を支給する制度です。

労務管理のセミナー開催や市場調査の実施、人材確保や業務効率化を目的とした外部専門家による指導の実施などに活用できます。


対象者は、※1で述べた要件を満たすほか、一定の要件に該当する事業主団体であることとされています。

支給額は原則500万円が上限となり、以下いずれかの低い方の額が支給されます。

①対象経費の合計額
②総事業費から収入額を控除した額
③上限額
(出典:厚生労働省「時間外労働等改善助成金」団体推進コース(新設)のご案内」

団体推進コースの詳細はこちら


テレワークコース

“テレワークコース”は、働き方の多様化やワークライフバランスの実現を目的とし、テレワークを導入する企業に向けた支援制度です。

テレワークに必要となる通信機器の導入やクラウドサービスの導入、テレワーク勤務に関する規定の整備などの取り組みを実施した場合に活用できます。


対象者は、※1で述べた要件を満たす企業であるとともに、「新規でテレワークを導入する企業であること」というような条件に該当する必要があります。

支給の対象となる経費に関しては、システムや設備の導入費のほかにも、委託費、備品費、会議費、謝金などが挙げられます。

支給額は成果目標の達成率によって異なります。
成果目標を達成した場合は3/4、未達成だった場合は1/2となっており、それぞれ上限額が定められています。

テレワークコースの詳細はこちら


人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)

“人材確保等支援助成金”は、時間外労働等改善助成金の支給を受けた中小企業に対して、さらに人材の確保が必要な場合に雇用管理改善を支援する制度です。

助成金を受けるためには、新たに労働者を雇用したり、雇用管理改善の取り組みに対して雇用管理改善計画を作成し、都道府県労働局の認定をもらう必要があります。


そして、認定を受けた雇用管理改善計画に対し、1年間取り組み、要件を満たした場合に“計画達成助成”が受けられます。

また、雇用管理改善計画の取り組み開始から3年が経過したときに、一定の要件を満たすことによって、“目標達成助成”が支給されるという仕組みです。

人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)の詳細はこちら


業務改善助成金

“業務改善助成金”は、最低賃金の引き上げにともなって、経営が逼迫(ひっぱく)している企業に対して、業務改善に要した経費の1/2を支援する制度です。
事業内の賃金の引き上げを実施し、賃金制度や業務の改善を目的としています。


対象となるのは、※1で述べた要件を満たす事業主であるとともに、地域別最低賃金額が700円以下の県に事業場を置く企業となります。

また、助成が受けられる経費例としては、賃金制度の見直しにかかるコンサルタント経費や、労働能率増進のための研修費用などが挙げられます。
助成対象となる経費の上限額は100万円とされています。

そのほかの詳しい適用条件や助成対象については、下記ページをご参照ください。

業務改善助成金の詳細はこちら


キャリアアップ助成金

“キャリアアップ助成金”は、パートタイマーや派遣社員など、非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するための取り組みを支援する制度です。

優秀な人材確保や定着率の向上を目指すためには、非正規雇用労働の待遇改善が必要です。


この取り組みにおける対象範囲は、※1で述べた中小企業であるとともに、「雇用保険適用事業所の事業主であること」などが挙げられます。

助成にはキャリアアップ計画書の作成後、管轄労働局長の認定を受ける必要がありますが、キャリアアップのコースによって助成金の内容が異なります。対象の労働者に向けてどのようなキャリアアップを目標にするかを検討し、活用しましょう。


コースの内容や1人あたりの補助金額などは、厚生労働省が作成したキャリアアップ助成金に関するパンフレットをご覧ください。

キャリアアップ助成金の詳細はこちら


両立支援等助成金

“両立支援等助成金”は、女性の社会進出や、育児や介護と両立ができる職場づくりを目的とした取り組みに対して支援する制度です。

仕事と生活を両立することにより、多様な働き方にも対応しやすく、安定的な雇用につながると考えられています。


コースは全部で5つに分かれており、それぞれ以下のような目的があります。


①出生時両立支援コース

男性従業員が育児休業を取得しやすい職場づくりを目的とし、取り組みによって男性に休暇を取得させた場合に事業主へ助成金が支給されるという制度です。
なお、1人目と2人目以降とでは補助金額が異なります。


②介護離職防止支援コース

介護休業の取得促進や、介護後の復職ができる職場づくりへの取り組みを行い、家族の介護を理由とした離職防止を目的としています。介護休業を取得させたり、介護支援となる制度を導入することで助成金が支給されるという制度です。


③再雇用者評価処遇コース

妊娠や出産、介護などで一度退職した従業員に対して、復職を希望する人のために再雇用制度を整えることを目的とした制度です。支給にあたっては、離職して1年以上経過している対象者を再雇用して、6か月以上継続雇用するといった要件があります。


④育児休業等支援コース

育児休業の取得促進や、職場復帰の不安を無くすことを目的とした制度です。
休業前や復帰後の業務フォローをはじめ、面談などを実施することにより、中小企業事業主に対して助成金が支給されます。


⑤女性活躍加速化コース

女性が活躍できる社会を目指すために、女性従業員の積極的な採用や、人材育成、キャリアアップへの評価に対する取り組みに対して支援する制度です。


これら5つのコースは、コースによって対象となる範囲や補助金額が異なります。
詳細については以下ページをご確認ください。

両立支援等助成金の詳細はこちら


受動喫煙防止対策助成金

多くの企業が禁煙化に踏み切るなか、政府は中小企業による受動喫煙防止のための補助金制度を設けています。
“受動喫煙奉仕対策助成金”は、事業場において受動喫煙を防止するための設備費用や、整備にかかる経費を支援するという制度です。


対象者は、※1で述べた要件に該当する事業主となります。

助成の対象となる措置については、喫煙所の設置をはじめ、加熱式タバコ専用の喫煙室、屋外喫煙所、換気装置等の設置や改修などが挙げられます。

経費の対象には、電気工事費や設備費、備品費、機械装置費が含まれ、デザイン料などは対象外となります。


補助金額は経費の1/2(飲食店は2/3)となり、上限は100万円とされています。

助成対象や措置の規定内容が細かく定められているため、活用の際は厚生労働省のホームページをご確認ください。

受動喫煙防止対策助成金の詳細はこちら


まとめ

健康経営や働き方改革を推進するにあたり、さまざまな支援制度が用意されています。

助成金によっては、紹介した内容のほかに、細かな適用条件や支給条件が定められているため、詳しくは各助成金の案内をご参照ください。


健康経営・働き方改革への施策を取り組むにあたって、これら各助成金制度の活用も検討してみてはいかがでしょうか。

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