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求職者から選ばれる企業が導入している特別休暇。制度の種類や導入方法まで

従業員を雇用している企業は、従業員に対して労働基準法に基づいた法定休暇を付与する義務がありますが、それに加えて近年では、福利厚生の一環として法定外の特別休暇を導入する企業が増えています。


従業員が私生活を充実できるための休暇制度は、モチベーション向上や生産性向上、さらには企業のイメージアップにもつながると考えられています。

働き方改革によってワークライフバランスが重要視されているいま、従業員の仕事と私生活の両立を支える休暇制度の導入は、既存従業員のみならず、求職者に対しても大きなアピール要素となるでしょう。


本記事では、特別休暇にどのようなメリットがあるのか、また、導入時の注意点について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.企業によって異なる“特別休暇制度”
  2. 2.特別休暇にはこんなメリットがある!
    1. 2.1.従業員へのメリット
    2. 2.2.企業へのメリット
  3. 3.特別休暇の種類と目的
    1. 3.1.ファミリーサポート休暇
    2. 3.2.リフレッシュ休暇
    3. 3.3.配偶者出産特別休暇
    4. 3.4.アニバーサリー休暇
  4. 4.制度を導入するまでの手順
    1. 4.1.従業員のニーズを考慮する
    2. 4.2.休暇制度のルールを定める
    3. 4.3.就業規則に記載する
    4. 4.4.社員に周知する
  5. 5.休暇が取得しやすい環境を整えることも大切
  6. 6.まとめ


企業によって異なる“特別休暇制度”

特別休暇とは、法律で定められている休暇とは別に付与する休暇を指します。

企業が付与できる休暇の種類には、付与が義務化されている“法定休暇”と、法律に定めのない“法定外休暇”の2種類があります。


法定休暇には有給休暇や育児休業などが挙げられます。一定の条件を満たす従業員は、それらの休暇を取得できる権利を持ち、使用者側にも付与する義務があります。


一方、特別休暇と呼ばれる休暇制度は法定外休暇です。特別休暇は企業が独自で運用できる制度のため、制度の内容は企業によってさまざまです。有給か無給かについても、企業が自由に定められる仕組みとなっています。


特別休暇は、“法定外”とされていることからも、法律上導入する義務はありません。

しかし、従業員に充分な休暇をとってもらうことは、企業にも良い影響をもたらすと考えられており、導入する企業も多いようです。従業員が仕事と私生活を両立できる特別休暇制度は、福利厚生としての役割も担っています。福利厚生の充実は、新たな人材確保や定着率アップのために欠かせません。企業の活性化や業績向上を目指すうえでも、特別休暇の導入は大きな後押しとなるでしょう。



特別休暇にはこんなメリットがある!

特別休暇は、従業員の健康維持・促進や私生活を充実するために大きなメリットがあります。しかし、メリットがあるのは従業員だけではありません。従業員の私生活に配慮した特別休暇を導入することにより、企業にもさまざまな効果があります。


従業員へのメリット

従業員それぞれの事情に配慮した休暇を与えたり、労働時間の調整を可能にしたりすることで、従業員は育児や介護、自己啓発などの私生活を充実でき、疲労した心身をリフレッシュする時間が確保できるようになります。


従業員が得られるメリットには、次のようなものが挙げられます。


  • 家族生活の充実と安定
  • 健康維持、回復
  • スキルアップなどの能力開発
  • 急病が起きた場合などの安心感
  • ボランティアなどの社会参加の機会


仕事以外のところで従業員の生活が充実することにより、家族生活が安定し、自身の趣味や勉強にも積極的に打ち込むことができます。これにより新たなスキルアップや創造力の向上につながるため、従業員の人生がより豊かなものとなるでしょう。


さらに、私生活の充実は仕事へのモチベーション向上につながります。これにより「良い仕事をして生活も充実する」といった良い循環が生まれやすくなります。


また、残業が常態化している場合、長時間労働による心身の不調が懸念されます。従業員の体調に考慮した特別休暇は、こういった健康へのリスク減少にもつながるでしょう。


そのほかにも、家族の育児や介護を行う従業員に対する特別休暇を用意することで、従業員が長く安心して働けるといったメリットがあります。育児や介護を理由とした離職を防ぐためにも、特別休暇の導入は効果的です。


企業へのメリット

特別休暇は企業にとっても良い効果が期待できます。


企業のメリットには、次のようなものが挙げられます。


  • 従業員のパフォーマンス向上
  • 業務効率の向上
  • 人材確保と定着率の向上
  • 社会や求職者からの評価向上


休暇制度により従業員のモチベーションが高まることで、仕事に対しての意欲や集中力といったパフォーマンスが向上し、その結果、業務効率や生産性の向上が期待できます。


さらに、従業員の家庭の事情などを考慮した柔軟な休暇制度を設けることにより、従業員にとって働きやすい職場となり、離職防止にもつながります。

特に妊娠中の従業員や、育児・家族の介護をしている従業員、健康保持が必要な従業員に対して配慮することで、信頼の獲得につながり、採用活動や人材確保においてもメリットが期待できます。


「離職率に悩んでいる」「採用が上手くいかない」という際には、特別休暇をはじめとする福利厚生の導入により、従業員満足度の向上を目指すことができます。



特別休暇の種類と目的

特別休暇にはさまざまな種類がありますが、育児との両立や療養などの事情により配慮が必要とされる人に対しては、事情や業務形態に対応した特別休暇の導入が望ましいとされています。


ここでは、代表的な特別休暇の種類と目的について解説します。


ファミリーサポート休暇

育児や介護など、家族へのサポートが必要な従業員に対して与える特別休暇です。付与日数や利用条件は企業によって異なりますが、さまざまな家族構成に対応できる制度を設けることが重要といえます。


育児をする従業員のなかからは、法定休暇である有給休暇や育児休業だけでは充分に足りないという声もあり、仕事との両立が難しいといった理由から休職や離職に至るケースも少なくありません。


限られた人材に長く働いてもらうための両立支援制度は、無くてはならない制度といえるでしょう。


リフレッシュ休暇

従業員の心身の回復と健康管理のための特別休暇です。

業務内容によっても異なりますが、特定の時期に仕事量が増えることで残業や長時間労働が続き、なかなか休暇が取れない状況になることがあります。


そういった場合に数日間のまとまった休暇を与えることで、疲労した心身を休めるとともに、次の仕事への意欲やパフォーマンスを保つことが目的です。長時間労働によるメンタル不調などのリスクを避けるためにも、従業員の健康を考えた休暇制度が望ましいといえます。


配偶者出産特別休暇

父親になった従業員が、配偶者の出産や育児をサポートするための特別休暇です。

女性は法定休暇により出産前の休暇や育児休業を取得できます。一方、男性は育児休暇の取得は可能であるものの、今まであまり馴染みのある制度とはいえませんでした。


配偶者出産特別休暇により男性に向けた休暇制度を設けることで、福利厚生として利用しやすく、従業員の家族全体をサポートできる職場づくりが可能となります。


女性労働者の増加や共働き世帯の増加が進んでいる現代において、出産後の育児は女性だけの役割ではなく、男性の理解を深めることも必要です。男性が積極的に休暇を取得するようになれば、女性従業員も産休・育休を取得しやすい環境となり、出産や育児と両立できる職場として従業員から信頼を得られるでしょう。


アニバーサリー休暇

従業員の誕生日や家族の記念日などに対する特別休暇です。

利用条件や有給・無給かについては企業によってさまざまですが、年次有給休暇とその繰り越し分から取得できる仕組みを採用している企業もあります。


政府による年次有給休暇の付与義務が始まりましたが、社内の風土や繁忙期などによっては休暇が取得しづらいと感じる従業員もいるかもしれません。

そういった従業員が休みを取得しやすい環境に整えるために、アニバーサリー休暇という名称がよく使われています。取得日については、自分の誕生日以外にも家族の記念日や、子どもの参観日などにも使えるように定めている企業もあります。


福利厚生として休暇を利用できる制度があることで、年次有給休暇の取得促進にもつながります。



制度を導入するまでの手順

より価値のある休暇制度を導入するためには、従業員のニーズを把握するとともに、定着に向けた社内での取り組み方法を検討する必要があります。


従業員のニーズを考慮する

特別休暇を導入するにあたり、従業員がどのような休暇制度を必要としているのか、ニーズを把握することが重要です。企業によって従業員の男女比や年齢の割合が異なるため、求められる休暇制度も変わってきます。


たとえば、子育て世代の女性従業員が多い職場では、法定休暇を上回る産休や育児関連の休暇、20代の若い従業員が多い場合には、リフレッシュ休暇やボランティア休暇などのプライベートを充実させる休暇が求められるものと想定できます。


また、休暇を導入する前には、目的を明確にすると良いでしょう。特別休暇は企業のイメージや理念にも影響するため、従業員のニーズと企業の目標を充分に検討したうえで、現実的に実施可能な制度を導入しましょう。


休暇制度のルールを定める

誰を対象に、どのような理由に対して休暇を与えるのか、制度の仕組みを明確にする必要があります。適用要件が定められていない場合、従業員とのトラブルを招く可能性があるため、事前に制度の内容を細かく定めて運用することが重要です。


たとえば、病気や治療のための特別休暇制度を導入する場合、退院後でも休暇を取得できるのか、病気の内容や症状に指定があるのか、取得日数に指定があるのかなど、具体的な取得要件を決めましょう。


そのほかにも、休暇中を有給・無給どちらにするか、雇用形態による対象者の適用範囲など、休暇の種類ごとに細かく制定する必要があります。


就業規則に記載する

福利厚生として特別休暇を導入するにあたって、認識の齟齬によるトラブルを防ぐためにも、就業規則へ内容を明記する必要があります。就業規則上に休暇制度の対象者や取得要件を明記するとともに、従業員が休暇を取得する際の手続き方法についても記載しておきましょう。


社員に周知する

就業規則に記載した後は、従業員全体へ休暇についての周知を行いましょう。社内掲示板やメール、コミュニケーションツールなどの活用とあわせて、朝礼や定期会議で直接周知するという方法も有効です。



休暇が取得しやすい環境を整えることも大切

特別休暇制度を導入した後は、できるだけ多くの従業員に定着させることが重要です。せっかく魅力的な休暇制度を導入しても、従業員が誰も利用しない状況となれば福利厚生としての意味がなくなってしまいます。


休暇を利用しない従業員のなかには、「休暇を取得しづらい」「業務が忙しくて休暇が取れない」と感じる人もいるかもしれません。休暇の取得促進のためには、まずは休暇を取りやすい職場環境が必要になってきます。


業務量が問題で休暇が取れないという場合には、部署やチームが協力して業務サポートができる体制づくりとして、たとえば、属人化している業務を減らすなどの取り組みを検討すると良いでしょう。


また、業務上のサポートだけでなく職場の雰囲気づくりも欠かせません。休暇に対する良い意識を高めるためにも、社内のコミュニケーションを促進し、休暇を取得しやすい職場環境を目指しましょう。



まとめ

特別休暇に法律上の定めはないものの、うまく取り入れられると従業員と企業の双方を豊かにしてくれる福利厚生となりえます。


従業員の事情にあわせて、適宜休暇を取得できる環境を整えることによって、従業員のモチベーション向上だけでなく、生産性の向上、離職の防止などさまざまな効果が期待できます。


魅力的な福利厚生は社会からの評価につながり、ひいては求職者から選ばれる、企業の強みとなっていくでしょう。優秀な人材を確保し、定着率向上を目指す際には、従業員、そして時代のニーズに対応した特別休暇の導入を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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